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【妄想寫眞】二人で歩くなら此処がいい | お台場篇

2017/06/28

素材1点あたり145円〜のストックフォトサービス ForYourImagesとカツセマサヒコさんのコラボ連載企画「妄想寫眞」。第二話、舞台はお台場です。
記事内の写真はForYourImagesにて公開中

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スマートフォンひとつ持って街を歩き、たとえばこの場所で、こんな人と、こんなことがあったら……と、シャッターを切りながら物語を作る当連載。

第二回は、たとえばアパレルショップや美容院で働く彼女と、たとえばメーカーや商社で働く彼がケンカして、夕暮れのお台場で五日ぶりの仲直りをする物語。

 

 

些細なケンカだったのにお互い意地になって冷戦状態が続いてたある日、仕事してたら「わたし今日休み」って連絡がきて。平日休みの彼女の仕事ならそういう日もあるよなぐらいに考えてたら「半休取れない?どっかいこ?」って続けてLINE入って。いい加減仲直りしたかったから無理いって会社出て、待ち合わせのお台場海浜公園までスーツのまま会いにいきたい。

 

 

出会って暫くは碌な会話もせずにいたけど、「最初に謝ったほうが勝ちだと思うから、わたしから謝る」ってわけわかんないルール作られて、「ごめんなさい」って俯きながら言われて。僕もそこから2秒もせず「ごめんなさい」って言って。どっちが悪いとかそういうの全部抜きにして、人目気にせずとりあえず抱き合って頭撫でて、「ちょっと歩こう?」とか言ったあと、砂浜軽く蹴りながら散歩したい。

 

 

平日の夕方でほとんど人もいない中、つないだ手を大きく振りながら裸足で大股歩きしている彼女のこと、後ろ斜め45度から見てたい。小さな声で何か歌ってるなって思ったら、前に「聞くたびキミのこと思い出す」って言ってた『2人のストーリー』で、ちょうどサビのタイミングで雲が割けて夕日が射して、そんな小さな奇跡みたいな光景をずっと見てたい。

 

 

「たった五日だけど」って切り出しから、喧嘩中に起きた彼女の出来事を一日目から一個ずつ聞いて、楽しかったこと、嬉しかったこと、悲しかったこと、寂しかったこと、紐解くたびに表情が変わる彼女の顔をずっと見てたい。寂しかった日のことを話すたびに「だからちゅーしろよ」って怒ってくる無茶なオーダーに、毎回ヘラヘラと笑いながら「はいはい」って言って応えたい

 

 

0分くらい歩いて黄昏時が終わりかけたころ、突然「ありがと」って言われて。「何が?」って返したら「なんとなく、いろいろ、ぜんぶ」って、わかるようなわからないような回答にちょっと戸惑うんだけど、あまり追及するのも野暮だと思って「うん、こちらこそ」って返して。それで仲直りが完了して、食材買って自分ちに帰って、ふたりで明日の朝のぶんまでカレー作って、少し乱暴に抱き合って寝るような2人のストーリーしたい。

 

「たとえばこの場所で、こんな人と、こんなことがあったらいいのに」。
そう思いながら、スマートフォンのカメラモードを解除すると、また別の物語を探しに、次の街へ向かいます。

 

記事内の写真はForYourImagesにて公開中

 

(ライター : カツセマサヒコ  @katsuse_m